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色づく秩父の里山を歩いた日 — ひとり散歩と小さな発見
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色づく秩父の里山を歩いた日

文化の日の三連休、初日。

特に計画はなかった。前日の夜に「明日どこか歩こう」と思って、とりあえず西武秩父線に乗った。


目的地なしで降りた駅

浦山口駅で降りた理由は、なんとなく名前が好きだから。それだけ。

ホームに降り立つと、山のにおいがした。杉と土と、少し甘い枯れ葉のにおい。 駅舎を出ると、目の前に小さな集落と、その奥に山が迫っていた。

紅葉は、思っていたより静かだった。

観光地のような鮮やかさではなく、ひっそりと色が変わっていく感じ。 黄色、茶色、まだ緑のまま残っているもの。それが混じり合って、山肌がまだら模様になっていた。


川沿いを歩く

集落を抜けると、浦山川沿いの林道に出た。

舗装されているけれど、車はほとんど通らない。川の音と、風に葉っぱが揺れる音だけが聞こえる。

こういう道が好きだな、と思った。特に何かあるわけじゃないけど、歩いていること自体が気持ちいい。

足元を見ると、カエデの葉が落ちていた。赤というより、深い橙色。 一枚拾って、しばらく眺めてから、また戻して置いた。


昼ごはんのこと

秩父のセブンで買った「田舎みそおにぎり」と缶コーヒーを、川原の石に腰かけて食べた。

コンビニのおにぎりなのに、なぜか山で食べると格別に美味しい。 これは本当のことで、環境が食事の味を変えることを毎回実感する。

川の流れを見ながら食べた昼ごはんが、今年一番おいしかったかもしれない。


帰り道で気づいたこと

帰りのホームで電車を待ちながら、今日歩いた時間を振り返った。

距離にすれば10kmもなかったと思う。標高差もそんなにない。 でも、なんとなく満足感があった。

目的地を決めないで歩くのは、最初は少し不安だけれど、途中から「どこでもいい」という自由さに変わっていく。 そういう歩き方が、自分には合っているのかもしれない。


次はどこに行こうか。 また電車に乗って、なんとなく降りた場所を歩く。それでいい気がしている。

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